ディーン(仮)のブログ

大学時代の思い出を書きなぐっています

目覚め

最近、いや昔から朝起きるときはあまり気分がよくなかった。

 

その理由がパートナーがいないことなのか、もしくは、いまの仕事に不満を抱えていることなのか、それとも過去にいやな出来事があったからなのかが分からない。

 

ただ、現状に十分満足できていないということだけは理解できた。

 

僕は今年の6月、前の会社をやめた。

すごい名の通った会社というわけでもないが、安定して、世間一般から見ればそれなりにホワイトな会社であることは間違いなかった。

 

だが、僕は何の変わり映えもなく、やりがいのない日々に嫌気がさしていた。

あるときは朝ずっとトイレにこもり、ひげダンディズムの「ノーダウト」を繰り返し聞き、ひたすら会社のことを考えないようにしていた。

 

あるときは、会社に行くのが嫌すぎて、仮病をつかって休んだ。

 

僕は病院に行った。「過敏性腸症候群」と診断された。

 

いま思えば地獄のような日々だった。

 

入社当初からあの仕事が自分には完全に向いてない、必ず、もっと自分に向いている仕事はあるということは感じていたが、いまここでやめたら、自分は負け組になるし、周りの人に迷惑をかけてしまうとおもっていた。

 

しかし、二年目の4月私はついに決心をした。

上司にいまの会社をやめたいと打ち明けた。

 

上司の反応は意外なものだった。

僕が、いまの仕事に向いてない、実際に直接子供に教える仕事をしたい、入社当初から思っていたということを言うと、

そうやって自分がしたいことを明確にもっていることはほんとうにえらい。

つらいかもしれないが、ぼくは藤岡くんを応援する。

とどまれとは言わないし、君の人生だから君が決断しなさいと背中を押してくれた。

 

あのとき、僕は、会社選びは間違えたが、本当にいい上司に巡り合えたのだと悟った。

すばらしい人がいる会社なのだと改めて感じた。

 

そして、僕はやめることにした。

すごい勇気のいる決断だった。

 

お世話になった先輩に電話で退職を伝えた時は沈黙が続いた。

そして、一緒に仕事をしたときはほとんど話してもらえなかった。

あの時ほど苦痛なことは人生でもう二度とないのだろうと思う。

 

僕は先輩の好意を裏切ったのだ。

 

 

 

そこからは日々がとてつもなく早く過ぎ去っていった。

何かをすると本当に決断し、周りもそれを受け入れると

本当にスムーズに事が進む。

 

ほとんどの人はいままでどおり接してくれたし、退職まで僕も時々は笑って過ごせた。

本当はつらかったけれど。

 

そして、退職の週の飲み会で局長は暴れた。私の2個上の先輩は僕を哀れに思ったのか泣いてくれた。女性の次長も泣いていた。

 

飲み会が終わった際に「いままで苦労かけてごめんね。」と言われた。

苦労かけたのはこっちのほうだった。

だれも得していなかった。

会社のミスマッチが双方にこんな不利益をもたらすとは思っていなかった。

 

でも僕は、入社当初、半年くらい次長が楽しそうに話しかけてくれたのを覚えている。

それも次長になるまでだが、あのときは楽しかった。

 

よくも悪くも役職は人を変えてしまう。

局長や周りのいい年した男達から数字の管理の件で厳しく、責められ、本来の性格のよさがなくなってしまった。

日に日に目つきが鋭くなり、周りの人と気軽に話さなくなった。

そして、前にもまして愚痴が多くなった。

役職と仕事と環境は人を簡単に変える。

 

僕は人の上にたつような人間になってもああはなりたくないと思った。

ああなってはいけないのだと。

 

そして、そうなってしまったと自分で気づいたときには

動かないといけない。打開策を見つけないといけない。

 

1つの環境にしばられてしまっていることが彼女をがんじがらめにしてしまっているのだ。

 

もちろん1つの環境でがむしゃらに働くことは悪いことではない。

しかし、あの環境にいて、ほかで役にたつスキルはなにか。

コンサルスキルとマネジメントスキルというたいていの人間にとって代替可能な(しかもうちの会社は特殊なため、汎用可能というわけでもない)スキルである。

 

いざとなればやめるという選択肢がないことが(いや、まじめさとプライドが邪魔をしている)会社をさらに悪いものにしている。

 

僕は、一人の声より何人も会社を退職していくことのほうが会社をやめるきっかけになりうると思っている。

 

それは退職して、2か月たって、社員の方からいただいたメールに書かれていたことだった。

僕の決断が会社を変えたのだと。

 

あの言葉に僕は救われたのだ。

退職後、仕事に没頭し、ほとんど前職のことを気にかけていなかったが心につかえるものがあった。それが、あの1言だけで、私は自分にだけでなく会社にとっていい決断をしたのだと思えるようになった。

 

だが、しかしまだ胸の中はもやもやしている。

仕事が変わっても、まだ僕の欲求不満はとれない。

 

だがこれだけは言える。

物事は確実にいい方向に進んでいる。

それは僕が自分でしっかり決断して、行動に移せたからなのだ。

そして、その行動は世の中の大多数の人間にとって難しいことなのだ。

 

僕は自分の決断と今の生活と仕事が本当に素晴らしいものだと思う。

 

しかし、この状態では満足できない。

現状維持をすることは後退することである。

 

早く、独立し、完全に自分の意志で仕事をすることができる環境を

僕は作っていく。